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退職まであと数か月というある日、ふと思った。
「年金って、いつから、いくらもらえるんだろう。ちゃんと確認したことないな」
ねんきん定期便は毎年届いていた。でも正直、数字が多くてよく読まずにしまっていた。
今年64歳。来年3月で再雇用契約が終わり、65歳から年金が始まる。
「さすがにそろそろちゃんと確認しないと」と思い、年金事務所に予約を入れた。
📌 この記事でわかること
- 年金事務所の予約方法・当日の流れ
- 持っていくものリスト
- 65歳からの年金額の確認方法
- 加給年金(妻がいる場合の上乗せ)の仕組み
- 繰り下げ受給・繰り上げ受給の違い
- 退職後の年金手続きタイムライン
年金事務所の予約から当日の流れ
予約方法は3つ
| 方法 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 📞 電話予約 | 0570-05-1165(ナビダイヤル) 平日8:30〜17:15 | ⭐⭐⭐ |
| 🌐 ネット予約 | 日本年金機構サイトから24時間可能 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 🚶 直接窓口 | 当日並べば相談可(混雑あり) | ⭐⭐ |
自分はネット予約を使った。希望日の2週間後が最短だったので、早めに予約するのがおすすめ。
持っていくものリスト
🎒 当日の持ち物チェックリスト
- ☐ 基礎年金番号通知書またはマイナンバーカード
- ☐ ねんきん定期便(直近のもの)
- ☐ 本人確認書類(運転免許証など)
- ☐ 印鑑(認め印でOK)
- ☐ 配偶者の基礎年金番号・生年月日がわかるもの(加給年金を確認する場合)
- ☐ 雇用保険被保険者証(退職後の手続きに関係する場合)
⚠️ 忘れがちな注意点
配偶者(妻)の情報を持っていかないと、加給年金の試算ができない。
「妻の生年月日・基礎年金番号」は必ず用意しておこう。
実際に相談してみた——当日の会話をそのまま書く
担当者は40代くらいの女性。資料を画面に出しながら、丁寧に説明してくれた。
「65歳から受け取れる年金は、だいたいいくらになりますか?」
「ねんきん定期便の試算額をベースに、今年度末までの加入期間を加算してお出しできます。お持ちのデータで計算しますね」
「妻がいるんですが、加給年金というのは自動的にもらえるんですか?」
「自動ではありません。年金請求書に加給年金の申請も含めて記載する必要があります。奥様が65歳になられたら振替加算に切り替わりますので、そちらも後でご説明しますね」
⚠️ 加給年金は「自動でもらえる」わけじゃない
請求書に記載しないともらえない。これを知らないと損をする。
65歳からの年金の仕組み——図でざっくり理解する
🏗️ 年金の構造(会社員の場合)
| ② 厚生年金 会社員として働いた期間・給与に応じて変わる |
| ① 国民年金(基礎年金) 40年加入で満額:月額69,308円・年額約831,700円(2025年度・厚生労働省) |
| + 加給年金(対象者のみ) 配偶者が65歳未満・年収850万円未満なら上乗せ |
①+②+加給年金 = 毎月受け取る年金額
💡 たとえ話でわかる年金の構造
年金は「マンション」みたいなもの。
1階(国民年金)は全員共通の土台。
2階(厚生年金)は会社員が積み上げた部分。給料が高いほど、働いた年数が長いほど大きい。
おまけ(加給年金)は、配偶者がいる人への家族手当のようなもの。
妻がいる人は必読——加給年金の仕組みと金額
加給年金は、知っているかどうかで年間約40万円以上の差が出る制度だ。
📊 加給年金の概要(2025年度)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 厚生年金の加入期間が20年以上の人 |
| 配偶者の条件 | 65歳未満 かつ 年収850万円未満 |
| 支給額(配偶者分) | 年額 239,300円+特別加算 昭和18年4月2日以降生まれは最大415,900円/年(月約34,700円) |
| 子どもがいる場合 | 第1・2子:各239,300円、第3子以降:各79,800円を加算(2025年度) |
| 終了タイミング | 配偶者が65歳になると終了(→振替加算へ切り替わり) |
| ⚠️ 今後の改正 | 2028年4月から配偶者への加給年金が段階的に縮小予定(2025年6月法改正成立) |
💡 たとえ話
加給年金は「家族手当」と思えばわかりやすい。
扶養している配偶者がいる間だけもらえる、会社の家族手当に似ている。
配偶者が65歳になって自分の年金をもらい始めたら、家族手当は終わる。
振替加算とは?
✅ 振替加算のポイント
- 配偶者が65歳になると加給年金は終了
- 代わりに配偶者自身の年金に「振替加算」が上乗せされる
- 振替加算の額は配偶者の生年月日によって異なる(古いほど多い)
- こちらも自動的にはもらえない→配偶者が65歳になった時点で請求手続きが必要
「65歳より早く」「65歳より遅く」もらうとどうなる?
⏰ 受給開始時期の選択肢
| 選択肢 | 開始年齢 | 年金額の変化 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 繰り上げ受給 | 60〜64歳 | 1ヶ月早めるごとに0.4%減額 (最大24%減) | 一生減額が続く |
| 通常受給 | 65歳 | 基準額(変化なし) | — |
| 繰り下げ受給 | 66〜75歳 | 1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額 (最大84%増) | 長生きするほど得 |
💡 損益分岐点の目安
繰り下げした場合、約12年で元が取れるのが目安。
例:70歳から受給開始(5年繰り下げ・42%増額)→ 82歳ごろから「65歳開始」より総額が多くなる。
健康状態・家族の状況・退職後の収入源によって判断が変わる。
自分は65歳から素直にもらう予定。繰り下げは魅力的だけど、退職後の収入がなくなるので現実的じゃなかった。
年金をもらい始めるための手続きタイムライン
📬 年金請求書が届く
65歳の誕生日の約3ヶ月前に、日本年金機構から「年金請求書」が届く。
届かない場合は年金事務所に問い合わせを。
📝 年金請求書を記入・提出
必要書類をそろえて年金事務所に提出(郵送も可)。
加給年金を受け取りたい場合は、この請求書に記載が必要。
忘れると後からさかのぼって請求できない期間が出ることも。
💴 年金証書・振込通知書が届く
「年金証書」と「年金振込通知書」が届く。
偶数月の15日に2ヶ月分がまとめて振り込まれる仕組み。
🔄 加給年金→振替加算の切り替え手続き
加給年金が終了し、配偶者の年金に振替加算がつく。
こちらも自動ではない。配偶者が65歳時点で手続きが必要。
✅ 要するにこういうこと
年金は「自動でもらえる」ものではない。
請求書を出して、はじめてもらえる。
加給年金も振替加算も、申請しないと損をする。
よくある疑問——Q&A
Q. ねんきんネットとねんきん定期便、どっちを見ればいい?
A. ねんきんネットがおすすめ。スマホやPCから現時点の加入記録・試算額をリアルタイムで確認できる。マイナンバーカードがあればすぐに登録できる。
Q. 再雇用中に年金はもらえる?在職老齢年金とは?
A. 65歳以降も働きながら年金を受け取れるが、給与+年金が月51万円を超えると一部カットされる(2025年度の基準額)。なお2026年4月からは基準額が65万円に引き上げ(政府広報オンライン・厚生労働省より)。退職後に受け取る場合は全額もらえる。
Q. 年金の受け取りを途中で変更できる?
A. 繰り下げ中は途中でやめて「まとめて受け取る」選択もできるが、条件があり複雑。変更を検討する場合は年金事務所に相談を。
Q. 配偶者が専業主婦の場合、妻自身の年金はどうなる?
A. 第3号被保険者として国民年金に加入していた期間があれば、65歳から基礎年金を受け取れる。振替加算もこのタイミングで上乗せされる。
📚 年金を理解するのに役立った本
✅ まとめ:年金事務所に行く前・行った後のチェックリスト
📋 年金事務所に行く前
- ☐ ねんきん定期便(直近)を用意する
- ☐ 基礎年金番号通知書またはマイナンバーカードを用意
- ☐ 配偶者の生年月日・基礎年金番号を確認
- ☐ ねんきんネットに登録して試算額を事前確認
- ☐ 聞きたいことをメモしておく
📋 年金請求時(65歳の誕生日以降)
- ☐ 年金請求書に加給年金の記載を忘れずに
- ☐ 戸籍謄本・住民票・配偶者の収入証明を準備
- ☐ 銀行口座情報を用意(振込先)
- ☐ 配偶者が65歳になったら振替加算の手続きを
🎯 一番大事なことを繰り返す
- 年金は請求しないともらえない
- 加給年金は自動でつかない——請求書に記載を
- 年金事務所の予約は早めに(2週間待ちも)
📝 このシリーズの記事一覧
- ✅ 親が亡くなってから知った「実家相続」の現実
- ▶️ 年金事務所に相談に行った話(この記事)
- 📌 退職後の健康保険、どれを選べばいい?(次回)
- 📌 64歳・次の仕事はいつ・どうやって探すか
- 📌 会社契約終了と自己都合退職——失業給付はどう違うか
⚠️ 免責事項:本記事は個人の体験をもとにした情報提供を目的としており、専門的な年金・法律アドバイスではありません。具体的な金額・手続きは年金事務所または社会保険労務士にご確認ください。年金額は2025年度の数値を参考にしています。
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