親が亡くなってから知った「実家相続」の現実|64歳が最初にやるべきことを体験ベースで整理した

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父が亡くなったのは、まだ肌寒い春先のことだった。

覚悟はしていた。でも、いざそのときが来ると、人はこんなにも何もできなくなるものかと思い知った。

葬儀が終わったころ、ふと気づく。

KEN

「あ……実家、どうするんだろう」

父名義の家に今は自分が住んでいる。土地は兄との2分の1ずつの相続になる予定だ。
売るのか、住み続けるのか。何から始めればいいのか。何も知らなかった。

今年64歳。再雇用の契約が今年度末で終わり、来年から年金生活が始まる。そんなタイミングで、相続と実家の問題が重なった。

📌 この記事でわかること

  • 親が亡くなった直後にやること(期限あり)
  • 名義変更・相続登記の進め方
  • 誰に相談すればいいか(専門家の使い分け)
  • 実家を売るか住み続けるか、判断の考え方
  • 費用の目安(実体験ベース)

法律も税金も素人の64歳が、実際にやってみてわかったことを書いています。
同じ立場の方に、少しでも参考になれば。


目次

まず知っておきたい「相続の大誤解」

相続の話を聞くと、こう思う人が多い。

KEN

「うちは大した財産もないし、急がなくていいか」

これが一番の落とし穴だった。

財産が少なくても、手続きの「期限」は全員に等しく来る。
しかも、知らなかったでは済まない期限が、親が亡くなった直後から始まっている。

要するにこういうこと

相続は「お金持ちの話」じゃない。
家が1軒あるだけで、全員が手続きの対象になる。
しかも期限は待ってくれない。


親が亡くなった直後にやること【期限あり】

最初の2週間が、実は一番忙しい。
葬儀の疲れが残っているのに、手続きが次々やってくる。

STEP 1

🗓️ 死亡届の提出(7日以内)

葬儀社が代わりに出してくれることが多い。
このとき死亡診断書のコピーを5枚以上とっておくこと。
後の手続きで何度も使う。自分は1枚しかとらず、後で困った。

STEP 2

💴 年金の停止手続き(14日以内)

年金事務所に「受給停止の届け出」をする。
死亡後も年金を受け取り続けると「不正受給」になる。
未支給の年金がある場合は逆に請求できる。年金事務所で確認を。

STEP 3

🏥 健康保険・介護保険の脱退(14日以内)

市区町村の窓口へ。わからなければ、
「父が亡くなりました。何の手続きが必要か教えてください」
と言うだけでOK。一覧を出してくれる。

STEP 4

🏦 銀行口座の確認(なるべく早く)

死亡が銀行に知れると口座が凍結される。
葬儀費用などの引き出しは、凍結前に済ませておくか、
遺産分割協議書ができてから手続きを踏む。

💡 たとえ話でわかる「14日ルール」

年金は「月払いのサブスク」みたいなもの。
解約し忘れると、翌月もお金が引き落とされる(=不正受給になる)。
亡くなったらすぐ「解約手続き」が必要、と覚えておこう。


父名義の契約を自分名義に変える作業

これが地味につらかった。
「名義変更」が必要なものが、思った以上にたくさんある。

手続き連絡先自分の状況
電気電力会社(電話/WEB)✅ 完了
ガスガス会社(電話)✅ 完了
水道市区町村の窓口✅ 完了
NHK電話(0120-151-515)✅ 完了
固定電話NTT等(電話)解約(不要なため)
インターネット各プロバイダ✅ 完了
火災保険保険会社⏳ 問い合わせ中
不動産登記司法書士に依頼⏳ 手続き中

要するにこういうこと

名義変更は「全部まとめて1日でやろう」としないこと。
電話が繋がらない・書類を待つ、が必ず起きる。
週に1〜2件ずつ、コツコツやるのが現実的。

⚠️ 知らなかった!相続登記は「義務」になっていた

2024年4月から、法律が変わった。

🚨 相続登記の義務化(2024年4月〜)

  • 相続を知った日から 3年以内 に登記しないといけない
  • 守らないと 10万円以下の過料(罰金)が科される可能性あり
  • 「住み続けるから急がない」はNG。義務は義務。

自分はこれを知らず、「住むんだからいつかやればいいか」と思っていた。
知ってから少し焦った。

KEN

登記は自分でもできるけど、書類集めが本当に大変。
兄と相談して、司法書士に頼むことにした。


「遺産分割協議」ってなに?難しく考えなくていい

遺言書がないと、相続人全員で「誰が何をもらうか」を話し合う必要がある。
これを遺産分割協議という。

🏠 たとえ話

遺産分割協議は、「親の残したものを兄弟みんなで話し合って決める家族会議」のこと。
もめなければ、それで終わり。もめると弁護士が必要になる。

うちは兄と2人。もともと仲は悪くないし、兄は「実家には興味がない」と言っていた。
話し合いはスムーズに終わった。

結論は「土地・建物ともに2分の1ずつ共有相続」
ただ、ここで司法書士から注意が入った。

⚠️ 「共有名義」のリスク

共有名義のまま売ると、兄弟2人とも署名が必要になる。
どちらかが亡くなると、その子どもが相続→関係者がどんどん増える。
「とりあえず半々」は後で複雑になりやすい。

要するにこういうこと

共有名義は今は楽でも、将来の売却時に手間が増える。
早めに「どちらが単独で相続するか」を兄弟で話し合っておくほうがいい。


「誰に相談すればいいか」問題を解決する

相続で最初に困るのは、実はここだ。

KEN

弁護士?司法書士?税理士?行政書士?
……何がどう違うの?

自分なりに整理するとこうなった。

困っていること相談する人
不動産の名義変更(登記)がしたい司法書士
兄弟でもめている・話がまとまらない弁護士
相続税の申告が必要かもしれない税理士
書類集め・遺産分割協議書の作成行政書士 or 司法書士
実家を売りたい・相場を知りたい不動産会社
お金全体を整理したい(年金含め)FP(ファイナンシャルプランナー)
何から始めればいいかわからない市区町村の無料相談窓口

💡 まず最初はここへ

市区町村の「無料法律相談」「相続相談窓口」
月に数回、弁護士や司法書士が無料で相談に乗ってくれる。
予約制・30分程度だが「何から手をつけるか」を整理するには十分。
自分はこれを最初に使わなかったことを後悔している。


実際いくらかかった?費用の目安(途中経過)

「相続にかかるお金」は、あまりネットで出てこない。
体験ベースで書いておく。

項目費用の目安備考
司法書士(相続登記)10〜15万円登録免許税+報酬。2〜3社見積もりを
戸籍謄本などの取得数千円〜1万円程度1通450〜750円×何通か。郵送も可
遺品整理・不用品回収15〜30万円前後業者に見積もりを複数依頼
市区町村の法律相談無料月数回・要予約

📌 コツ:戸籍謄本はコンビニで取れるものも

マイナンバーカードがあれば、コンビニのマルチコピー機で取得できる書類が多い。
役所に並ぶ前に確認してみよう。


📚 読んでおくと動きやすくなる本

相談前に「全体像だけ」つかんでおくと、専門家との話がスムーズになる。
難しい本じゃなくていい。図解・Q&A形式のものがおすすめ。

📖 身近な人の死後の手続き|Q&A形式で読みやすい

相続だけでなく、亡くなった後に必要な手続き全般をQ&A形式でカバー。
「次に何をすればいいか」がわかりやすく整理されている。

📦 Amazonで見る(Kindle版)

📖 改訂新版 身内が亡くなったあとの「手続」と「相続」

登記・預金・保険・年金まで、手続きの全体像を網羅。
図表が多く、読むというより「引く」使い方ができる一冊。

📦 Amazonで見る(単行本)


「売るかどうか」を考え始めた理由

正直なところ、最初は「このまま住み続けるだろう」と思っていた。

でも、来年から年金生活になることを考えると、築43年の家の維持費が気になり始めた。

🏚️ 築43年の家にかかりそうなコスト

  • 屋根の修繕:50〜150万円
  • 外壁の塗装:80〜150万円
  • 給湯器の交換:15〜30万円
  • 水まわりのリフォーム:50〜200万円

全部合わせると、数百万円規模になることも。年金生活でこれを払い続けるのか——と考えた。

不動産査定に動いてみた

「売るかどうかは決めていないけど、いくらくらいになるか知りたい」

そういう気持ちで、まず査定だけしてみることにした。

最初は近所の不動産屋に飛び込みで相談。
担当者は親切だったが、「一社だけでは相場感がわからない」と言われた。

そこで試したのが不動産一括査定サイト

一括査定を使ってわかったこと

  • 査定額は会社によって数百万円の差が出ることも
  • 高い査定額=実際に売れる金額、ではない
  • 査定後に営業が来る会社もある(断ってOK)
  • でも相場感をつかむには有効。無料でできる

🏠 まず「相場を知る」だけでもOK

売ることを決めていなくても、査定は無料でできる。
複数社の査定額を比べることで、実家の現在価値がわかる。

🔍 無料で一括査定してみる(イエウール)

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64歳・年金目前の自分が気にしている「売却と税金」の話

実家を売ると、売却益に税金がかかる場合がある。
ただし、大きな控除制度がある。

💴 マイホーム売却の3,000万円特別控除とは?

自分が住んでいた家を売った場合、売却益のうち3,000万円まで非課税になる制度。
たとえば2,000万円で売れた家の購入額が500万円なら、利益は1,500万円。
→ 3,000万円以内なので、税金ゼロになる可能性がある。

※ただし一定の条件あり。詳細は税理士に確認を

KEN

自分は父の家に「移り住んだ」形なので、この控除が使えるかが微妙なところ。今、税理士に相談中。

⚠️ 売却のタイミングも重要

不動産を売ると「その年の収入が増える」→ 翌年の住民税・健康保険料に影響する。
年金収入と重なると計算が複雑になるので、売る前に税理士かFPに相談しよう。


✅ まとめ:これだけやれば大丈夫チェックリスト

ここまでの内容を、「やること一覧」にまとめた。
印刷して使ってもらえると嬉しい。

🗓️ 亡くなってすぐ(1〜2週間以内)

  • ☐ 死亡届の提出(7日以内・葬儀社が代行可)
  • ☐ 死亡診断書のコピーを5枚以上とっておく
  • ☐ 年金の停止届(14日以内・年金事務所)
  • ☐ 健康保険・介護保険の脱退手続き
  • ☐ 銀行口座の凍結前に必要な引き出しを済ませる

📅 1〜2か月以内

  • ☐ 相続人の確認(誰が法定相続人か)
  • ☐ 遺言書の有無を確認(公証役場で検索できる)
  • ☐ 遺産の全体像を把握(不動産・預貯金・負債)
  • 市区町村の無料相談窓口を予約する←まずここ
  • ☐ 名義変更が必要なものの一覧を作る

📅 3か月以内

  • ☐ 相続放棄するかの判断(3か月以内)
  • ☐ 相続税がかかるか確認(基礎控除:3,000万円+600万円×相続人数)
  • ☐ 遺産分割協議書の作成(司法書士・行政書士に依頼可)

🗓️ 3年以内(でも早いほうがいい)

  • 相続登記(義務化・3年以内・過料あり)
  • ☐ 不動産の活用方法を決める(売却・賃貸・継続居住)

🎯 一番大事なことを繰り返す

  1. 期限があるものから動く(14日・3か月・3年)
  2. 最初は市区町村の無料相談に行く(タダで道筋がわかる)
  3. 一括査定は「相場を知る」だけでもOK(売ることを決めなくていい)

🗑️ 遺品整理・片付けで困ったら

父が長年使っていた家具・家電・衣類・書類——これが思った以上に多い。
体力的・時間的に限界を感じたら、業者に頼む選択肢もある。

⚠️ 遺品整理業者を選ぶときの注意点

  • 「遺品整理士認定協会」認定業者かどうか確認
  • 必ず複数社から見積もりを取る
  • 相場:1LDK〜2LDK程度で15〜30万円前後
  • 悪質な業者(不法投棄・追加料金)も存在するので注意

🗑️ 遺品整理・不用品回収の一括見積もり

複数社に同時見積もりを依頼して、料金と対応を比べてから決められる。

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この記事を書いた人

KEN(64歳・会社員・東京在住)

再雇用の契約が今年度末で終わり、来年から年金生活へ。父が亡くなり、実家の相続と正面から向き合うことになった。法律も税金も素人だが、「同じ立場の人の参考に」と思い、体験をそのまま書いている。

間違いや「自分の場合は違った」という点はコメント欄で教えてもらえると助かります。続編も書いていきます。

⚠️ 免責事項:本記事は個人の体験をもとにした情報提供を目的としており、法律・税務・不動産の専門的アドバイスではありません。具体的な手続きや判断は、必ず専門家(司法書士・税理士・弁護士・不動産会社等)にご相談ください。

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